
スクリーン印刷FAQ
シルク印刷について
スクリーン印刷で4色分解でカラー印刷は可能ですか?
スクリーン印刷で4色分解(CMYKカラー)を使用してカラー印刷を行う際の技術的観点から、注意点、メリット、デメリット
がありますので、お客様と打ち合わせながら進めるのが良いと思われます
1. 4色分解(CMYKカラー)とは
4色分解とは、フルカラー画像を印刷するために、画像をシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(Key)の4つのインクに分解し、それらを重ねてカラー画像を再現する技術です。
2. 注意点
🔵色の分解とデータ作成
●高品質の分解データ: 元の画像を正確に分解するためには、高解像度で正確に色補正されたデータが必要です。
プロのグラフィックソフト(例: Adobe Photoshop)で正確な色分解を行う。
スクリーン印刷特有の特性を考慮して、カラープロファイルを調整する。
●ドットゲイン(網点の拡大): スクリーン印刷ではインクがにじむことがあるため、デザイン時に網点のサイズや濃度を調整する必要があります。
🔵スクリーン作成
高精細なスクリーンメッシュ: 4色分解では非常に細かい網点を正確に再現する必要があるため、高いメッシュカウント(200~300T以上)が求められます。
スクリーン張りの精度: 各色を正確に重ね合わせるために、スクリーンの位置合わせ(レジストレーション)が非常に重要です。
🔵インクの選定
●半透明インク: 4色分解では通常、半透明のプロセスカラーインクを使用します。これにより、各色が重なった際に中間色が再現されます。
●インクの粘度: スクリーン印刷の特性に適したインクの粘度や乾燥速度を調整する必要があります。
🔵印刷環境と条件
●位置合わせ(レジストレーション): 各色がずれると画像がぼやけたり、色ムラが発生します。高精度の印刷機を使うか、手作業での位置合わせを慎重に行います。
●乾燥時間の調整: 各色が完全に乾燥する前に次の色を重ねると、色がにじむ可能性があります。
●色確認: 印刷環境(光源や素材)で色が変わるため、テスト印刷で色味を確認します。
🔵素材の影響
吸収性や反射特性が異なる素材では、同じCMYK分解でも色の出方が変わるため、素材に応じた色補正やインクの調整が必要です。
3. メリット
🔵幅広い色再現
4色の基本色を組み合わせることで、多くの色を再現できます。フルカラー画像を比較的シンプルな工程で印刷可能です。
🔵コスト効率
特殊なインクを用いる必要がなく、4種類の基本プロセスインクで多様な色を表現できるため、カスタムカラーを使う場合に比べてコストを抑えられます。
🔵一般的な規格
CMYKは印刷業界で標準化されているため、他の印刷方式(オフセット印刷など)との互換性が高く、データ移行が容易です。
4.デメリット
🔵色の正確性
CMYKでは、蛍光色やメタリック色、一部のビビッドな色(例: ビビッドな赤や青)は再現が難しいです。
スクリーン印刷特有のドットゲインや重ね刷りの影響で、色がずれる可能性があります。
🔵制作難度の高さ
高精細なスクリーンと高度な技術が求められるため、経験の浅いオペレーターでは品質にばらつきが生じやすいです。
🔵素材依存性
印刷する素材に応じて色味が変わりやすく、素材ごとに試し刷りが必要です。
🔵制作時間
4色分解では、4つのスクリーンを準備し、各色ごとに印刷工程を繰り返す必要があるため、単色印刷に比べて工程が複雑で時間がかかります。
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